海外に住む人なら理解してもらえるだろう、手に入る日本語の本はとにかく何でも読んでみる、という経験。自分の好みとは関係なく読み散らした本について書き散らす備忘録的ブログ。パリ在住なのでフランス語の本も多数。
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James Melville 「Sayonara Sweet Amaryllis」
評価:
James Melville
St Martins Pr
---
(1985-04)

 最近、あるフランス人作家にはまっていて、その人はもう純文学カテゴリーに入ってるけど、推理小説系というか刑事ものばっかり書いている。で、彼の本を読んでいて、「フランス語で推理小説を読むのは初めてかな?あ、違うわ、あれ読んだわ。」と思い出したのが、この本。
ちなみに図書館で借りてきてフランス語で読んだけど、原文は英語のよう。イギリス人の作家だった。

図書館に行って借りるのは適当に選んだもの、それこそ目をつぶって手に当たったものくらいの勢いの適当さなので、多分これもそんな感じで、「あ、メルヴィルって名前の人がいる。」という感じに手に取ったはず。フランス人映画監督のジャン ピエール メルヴィルの作品が好きだから。
タイトルから日本が舞台の話かな、と予想はつくけど、この作家はこれだけじゃなくて、日本が舞台になる小説をたくさん出しているみたい。

「Sayonara Sweet Amaryllis」舞台は神戸。私は京都出身なので、この時点ですでに親近感。神戸の警察のオオタニさんが主人公です。

推理小説っていうのは星の数ほどある推理小説の仲で、よっぽど内容が逸脱していないと記憶に残らない、と思う(私の場合はそうです)ので、どんな刑事ものやったか、ということはあまり覚えてないんだけれど、やっぱり外国人が日本を舞台にして書いてる小説なので、どこまでも日本のカルチャー紹介本になるとこが、外国に住んでいる私としてはおもしろかった。例えば、登場人物がどこかの店で何かを食べるにしても、いちいち、どんな店でどんな食べ物か、それを食べるということはどういうことか、なんてことがきっちり説明されていて、在仏11年の私も「あー、これはこういう風に言ったらええんか。」など思うことが多々あった。もういまは私に日本のカルチャーや風習の基本について聞いてくる人はいないけど、やっぱりフランスに来たての頃は他に話すこともないので話題のためとは充分わかりながらも、知り合った人たちは親切に「日本はこういうとこどうなの?」と聞いてきてくれる。そんときにこう言えれば良かったなあ、なんていろいろと思い出した。

というわけで、ちょっと古い本だけど、外国人ってこんな風に日本の風習を見てるんだ、と思える本。そしてお茶漬けのようにさらさらーっと読めます。
いちいち説明がちゃんとあるので、行間読むやらくそもへったくれもないけれど(失礼しました)。
| 23:02 | イギリス | comments(0) | trackbacks(0) |
Christopher Priest/クリストファー プリースト 「The Prestige/奇術師」
 なぜこの本を読んだかというと。
去年かなんかにパリのコンテンポラリーアートセンター、パレドトーキョーで、新しいキュレーターを求人募集していたときに、選考基準の重要なものとして、この本の中に出てくる手品に関する文章をテーマに企画する展覧会書類の提出というのがあったから。応募はしなかったけど、「求人募集でこういうテーマの出し方もあるのね、ふむふむ。」と思った私は早速読んだ。

で、本を読んでる間に、映画化されたものをDVDで見た。私としては映画のほうがおもしろかったかも。もうかなり前に読んだからすごく詳しいことは覚えてないけれど、映画と小説とで話の内容がかなり変わっていて、「ええ、これおんなじ話?」と思うくらい、映画を見たあとに読みすすんだ小説の続きの相違がすごかった。

私はこれがSFなのかミステリなのか、そういう分類がわからないけれど、私の偏見もありますがそういう類いの本にしては、ちょっと中だるみしすぎかな、と思う。

| 11:45 | イギリス | comments(0) | trackbacks(0) |
Tom Rob Smith/トム・ロブ スミス 「Child 44/チャイルド44」
評価:
Tom Rob Smith
Grand Central Publishing
¥ 501
(2009-04-01)

 デビュー作にして世界的大ヒットとなった作品。映画化ももう決定してるらしい。

ほーそういうことは今知った。
8月のバカンス最後の一週間はスペインのコスタ ブラバで過ごしたので、やけに本が必要だった。でも何故かアホな私は小説を一冊も持ってこず、集中しないと読めない難しい本しか持ってきてなかったので、ビーチで読む本がなーい!それは困る。だってここではウチのベランダで本を読むか、プール脇で本を読むか、ビーチで本が読むか、それしか一日中やることがないのだから。というわけで、もう既に何週間もここにいる義母と義姉の本を物色。というか「本がないー!」と叫んだら、二人が「もうすごいいいのがあるから!!これを読んで、かな!!」とほぼ無理矢理押し付けてきた。そんなわけでほぼ毎時間ごとに、「かな、今どこ読んでんの!?」と感想を言い合いたくて仕方のない二人に挟まれながら、「いやー、それが泳ぐのに忙しくてあまりすすんでないんですよー。ってか怖いし、この話!太陽の下で読むのあわんし!」などと言いながら、なんとかすり抜けつつも、もうそんなこと言ってられない、ビーチとかプールとか途中からもう本当にどうでもよくなってしまうくらい、夢中で読んだ。

ちなみに次に海に行く時はトム ロブ スミスさんの本は絶対に持って行きません。本当に合いません。このチャイルド44はスターリン下のソビエト連邦が舞台。極寒の世界で繰り広げられる話なのに、こっちは筋肉ムキムキのスペイン男やプリップリのおっぱいをさらけ出すスペイン女に周りを囲まれてるわけだからなかなか集中できません。というかその極寒飢餓世界に入り込めない、、、。

そんなこんなで大変でしたが、本当に面白かった。私はフランス語で読んだので、原語や日本語バージョンではどうかわからないけれど、はっきり言って、そんな「文学!」と呼ぶ類いのものではなく、結構シリアスでしっかりしてるエンターテイメント物なので、別にどの言語で読むべきかということは全く問題ではないでしょう。

できればなんの前知識もなく読んでほしいので、これを読もうと思ってる人はできるだけ何の情報もなく手に取っていただきたい。絶対に裏切られないと思う。そしてただのエンターテイメントなだけで終わるのではなく、それなりに当時の閉じられたソ連の状況などへの関心を増すきっかけになるかもしれない小説。おすすめ。
| 23:20 | イギリス | comments(0) | trackbacks(0) |