海外に住む人なら理解してもらえるだろう、手に入る日本語の本はとにかく何でも読んでみる、という経験。自分の好みとは関係なく読み散らした本について書き散らす備忘録的ブログ。パリ在住なのでフランス語の本も多数。
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George Simenon/ジョルジュ シムノン 「Maigret et l'homme du banc/メグレとベンチの男」
評価:
Georges Simenon,G. Simenon
Livre de Poche
¥ 856
(2001-03)

 去年の夏にle monde(フランスの日刊紙)でジョルジュ シムノンの特集をやっていて、別にle mondeは買ってないけど、便乗読み。

いざ読んでみると面白くて面白くてたまらんかった。推理小説作家と少し見下して読み始めたわけやけど、ぜんぜん!人物描写とか社会背景とか話の進み具合とか、純文学のよう。それを夫に興奮して話すと「そうだよ、シムノンは推理小説というより純文学の域に入るよ。実際カナが読んでるのだってPleiadeじゃないか。学校でも推薦図書になってて読んだことがあったよ、すごく感動して感想文はものすごい勢いで書いたことを覚えてるよ。」ということ。
Pleiadeというはフランスで「文学」の印が押された格調あるシリーズ。これで読むとなんか気持ちがいいのです。紙もぺらぺらだしすぐに汚しそうで、荘厳すぎてメトロとかで読みにくいけど。

というわけでそのPleiade一冊で十数編入っているシムノンの短編長編のなかから、盲目にぱっと、最初に選んだのがこれ。
メグレ警部シリーズはシムノンの代表的作品らしく、この「ベンチの男」がシリーズのはじめのほうなのか真ん中のほうなのか終わりのほうなのかわからないけど、すんなり読めた。

刑事ものなので、もちろん殺人事件が起こる。でもそれだけじゃなくて50年代のフランス、パリの人々、社会問題、街並、すべて体験しているような気分になる文章のうまさと強さ。私は自分がよく知っている街が舞台になっている小説が好きなのももちろんあるけど、すっごく変わったとは言え、当時を想像することができるporte saint martinのあたりとか、やっぱりquai des orfevresはquai des orfevres(パリのセーヌ河岸の一部の住所で「警察」の代名詞にもなってる)なんだなあとか、当たり前のことが楽しく読める。それぞれの地区や郊外の街に住む人々の言動や所作、うまい。

ああ、シムノンにすっかりはまってしまいそう。

っつうかやっぱり右岸よね!!
| 17:26 | フランス | comments(0) | trackbacks(0) |
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