海外に住む人なら理解してもらえるだろう、手に入る日本語の本はとにかく何でも読んでみる、という経験。自分の好みとは関係なく読み散らした本について書き散らす備忘録的ブログ。パリ在住なのでフランス語の本も多数。
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Georges Simenon 「Les Fantomes du chapelier」
評価:
G. Simenon
Livre de Poche
¥ 1,406
(2009-06)

 こーれーはー、半端無くおもしろかった。忙しい最中に寝る間をけずって読んだ。

今から思い返してみると、何がそこまでおもしろかったんだろうか。
なんだかこんな内容のミステリー(?)は読んだことがある気がする。東野圭吾あたりが書いてそうやなあ、と。

フランスのラ ロシェルという海沿いの地方都市で帽子屋を営んでいる男の話。物語は最初から最後までこの男性の、行動、心理、推測、見たもの、から成り立っていて、彼が知らないことは私たちも知らないし、彼が見ていないことは私たちも見ていない。この本を読み始めてすぐに多分誰でも気づくだろうことに、犯人は彼自身なのだということがある。そんなわけだから、ハラハラドキドキする推理小説というわけではなく、なんともいえない物哀しい犯人の心理、いや、一人の60代の男の寂しさとか迷いとか、少しずつ少しずつ壊れていく人間の物語。そういうのが、東野圭吾が書いてそうやなーと私が思った原因かもしれない。

とにかくおもしろかった。私が好きなタイプの内容なうえに、ああ、見つかってしまう、というハラハラ感と、早く見つかれば良いのに、というハラハラ感が、本の最後のクライマックスに近づくにつれて、ちょうど同じだけ私の中に同居してくる。その内なる盛り上がりが哀しさの高まりと相まってたまらなかった。

やっぱりうまいわ、シムノン。
| 12:55 | フランス | comments(0) | trackbacks(0) |
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