海外に住む人なら理解してもらえるだろう、手に入る日本語の本はとにかく何でも読んでみる、という経験。自分の好みとは関係なく読み散らした本について書き散らす備忘録的ブログ。パリ在住なのでフランス語の本も多数。
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Paul Auster 「City of Glass」/ポール オースター 「シティ オヴ グラス」
評価:
Paul Auster,Paul Karasik,David Mazzucchelli
Picador USA
¥ 832
(2004-07)

評価:
ポール・オースター
角川書店
---
(1993-11)

義弟が最近カクテルに凝っている。だから家に行くと毎回みんなでカクテル作りを楽しむ。「どんなカクテルをお願いしよーかなー」とカクテル種本をめくっていたら、「フィッツジェラルド」という名前のカクテルを発見した。そのとき家にある材料で作ることができるということで、早速フィッツジェラルドをオーダー。そこでやはりカクテルではない作家のフィッツジェラルドの話になって、ニューヨーク辺りを舞台にした小説たちの話になった。「なにか面白い本あったら貸して。」と言ったら、「フィッツジェラルドが好きで、カポーティをこれからいろいろ読みたいと思ってるんだったら、、、ポール オースターはどう?」と本棚からオースターのニューヨーク三部作を取って渡してくれた。

フランス語訳なので、一作目は「Cite de verre」というタイトルがついている。ま、直訳。
三作が一冊の本におさめられているので(日本のは三作別々の本になっているよう)すべてを読んでからここに書こうと思っていたのだけれど、一作目を読んで次を読み始めるまで時間があいてしまったので、別々に書くことにする。

シティ オブ グラスを読んでいるときも読み終わったときも面白すぎて、本の文章を目で追っていないときでもその内容について思いを馳せたり考えたりしていた。そしていま二作目を読んでいるところなんだけれど、一作目であるシティ オブ グラスの内容とリンクするところがもちろんあって、そういうのも含めて興味深く考えることが多くて、そうなるとこれまたシティ オブ グラスの面白さが増長されるという素晴らしい循環が私の中で起こっている。

義弟に、フィッツジェラルドともカポーティとも全然ちゃうじゃないか。と言ったけれど、でもオースターを紹介してくれて本当にありがとう。と心から感謝した。私の非常に少ない小説家の知識では村上春樹と世界観が似てるような気がする。書かれた文章の簡潔さと潔さと無駄の無さと描写力と表現力とそして何よりも爽快な心地よさが似ていると思う。

話の内容をものすごーーーく簡単に言うなら、ある作家が探偵もどきのことをする、というものなのだが、別にそれは重要ではない。他人を監視し分析するということ、作家という存在、文学とは何か、文章とは何か、言葉とは何か、自分とは何か、時間とは何か、言語とは何か、そういったことがこの小説のなかに星のようにちりばめられている。それらのかけらに気づくときもあれば、きっと気づかずに文章のまま読んでしまっていることもあっただろう。でもそれを悔やんではいない。今現在の私が気づくことができるのはそれらのかけらだっただけのこと。そのかけらたちで私はいろんなことを思い考え楽しんだ。またいつかこの小説を読めば他のかけらに気づくだろう。そしてそのときの私はそのかけらたちでいろんなことを思い考え楽しむだろう。

ひとつ残念に思ったのは、私がニューヨークの地理に詳しくないことだった。詳細に主人公が歩くルートが数ページに渡って書かれている。「○○ストリートを東に○○ブロック行って、そこを右に渡って、○○アベニューにつきあたったところで、、、」などとルートのことしか書いてないことが何度も出てきた。私の頭にニューヨークの地図が入っていたら、多分その数ページのルートに何かの意味があったんだろう。しかし私の頭にはパリの地図はあってもニューヨークの地図はそこまで詳しく入っていない上、私はニューヨークの地図を買ってきて主人公のルートをなぞるほどの忍耐強さもなかった。次回読み直すときはニューヨークの地図を前もって買っておこうと思う。もしかしたらルートにはなんの意味もないのかもしれないけれど。


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